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Oct 16, 2019

ベーカリーとAIの邂逅 ┃「一之軒」が台湾初のAIパン認識レジの運用を開始

ベーカリーとAIの邂逅 ┃「一之軒」が台湾初のAIパン認識レジの運用を開始
2019年10月16日

 

一之軒旗艦店に設置された目新しい機器に気づいた顧客は少なくないだろう。このAIパン自動認識システムは、パンを自動で判別し購入金額を算出、レジ待ち時間を大幅に短縮する画期的なシステムだ。台湾北部に支店を多く持つファッショナブルなベーカリーチェーン「一之軒」と、アジア太平洋のビジョンAIリーディングカンパニーViscoveryの共同開発によるもので、台湾ベーカリー業界と人工知能がタッグを組んだ初の試みである。一之軒旗艦店は、2年前にも人型ロボットPepperを導入する等、ベーカリー業界でのAI導入を牽引しており、実店舗での経験経済をもたらすことを目指している。

一之軒の総経理廖明堅氏は「昨今は多くの業界でAI技術を導入しており、そのサービスが生活一般に浸透してきている。ベーカリー業界でAIを活用する場面とはどんなものだろうと考えたとき、店舗で販売している焼き立てのパンやケーキ等、直接値札シールを貼ることができない商品が何百種類もあるが、AIの顔認識技術で個々の顔認識ができるのなら、それらの識別も可能なのではないか。それができれば、店舗でのレジ作業の効率アップが見込めるはずだ、と閃いた。」と話す。

この構想を実現させるべく、国内のみならず、アメリカ、日本、中国の関連技術を開発するメーカーを訪ね歩いた。だが、要望に応えてくれる企業は見つからなかった。2年ののち、ViscoveryがAIパン認識ソリューションを提供していることを知り、これがまさに廖明堅総経理の理想と合致。双方の協力体制が始まった。

それから両社による話し合いが何度も行われた。そしてこの9月、台北の南京東路旗艦店において、本サービスの提供が正式に開始した。顧客はパンを乗せたトレイをカウンターの所定の場所に置くだけ、店員は確認ボタンを押すだけでレジ作業が行える。コンピュータに接続されたカメラが、パンの外見的特徴を識別し、また一度に複数個のパンの識別が可能で、店員はこれまで肉眼で行なっていたこの作業をコンピュータに任せることで会計と袋詰めに専念できるようになった。コンピュータの認識精度は、サービス開始時に95%超であったが、認識モジュールに自身で学習させることにより、現在では99%以上の精度を誇る。

旗艦店での導入の成功を受け、一之軒では台湾の全支店約20店舗への導入を進めている。将来的にはギフト商品等、パン以外の商品への対応も視野に入れている。

ビジョンAI技術を長年研究してきたViscoveryの運営長劉志錕は「廖明堅総経理のこの先進的な構想に感銘を受け、ベーカリー業界でのテスト運用に賛同した。このAIパン認識レジシステムは、コンピュータビジョン、人工知能、ディープラーニング技術を基礎に開発することで、コンピュータに人間の思考を持たせるに至った。例えばパン表面のシュガーやトッピングの多寡による誤認識をなくし、パンの種類と数量を正確に識別することに成功した。一之軒をはじめ、ベーカリー業界全体が抱えるレジ待ち問題を解決し、ショッピング体験を向上させるサポートにつながるだろう。」と話す。

一之軒の店員はすでにこの新しいテクノロジー導入の効果を実感している。特にピーク時に顕著で、レジ待ちの行列を効率よく消化し、顧客の待ち時間の短縮に一役買っているという。AIがパンを認識し、商品と購入金額を提示するので、店員が目視でパンを確認しレジ入力していた従来の方式に比べて作業時間が大幅に短縮、また会計の最中に、次の顧客の購入商品の識別を開始できるので、大幅な効率アップとなった。サービス開始からのこの1ヶ月間、このシステムの商品識別方法を興味津々で訪ねる顧客も多いという。日常のショッピングに、テクノロジー体験をプラスする効果も出ているようだ。

廖明堅総経理は「20年前にパソコンが普及し始め、この10年でスマホが持つことが当たり前になり、人工知能が日常生活に浸透してきているのを感じる。テクノロジーはこのように我々の生活に溶け込み、問題解決や効率アップを助けるものであるのだから、ベーカリー業界でも新しいテクノロジーを導入し、時間短縮やサービス向上を図るべきだ。なぜなら「心の通ったおもてなし」は人にしかできないものだから」と強調する。

 

▲ 購入するパンをAIパン認識システムの所定の場所に置く


▲ 2秒もかからずAIが自動でパンを認識、商品と金額をリストアップする

 
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